2015年2月12日木曜日

変身

「すべての仕事は売春である」とJ・L・Gも言っていますが、私もそう思います。然り。
それ、をそうと思っている人、知らずにしている人、知らんぷりしている人、その他、などなどがいますが繰り返します。
「すべての仕事は売春である」と。
そしてすべての仕事は愛でもあります。愛。愛ね。


岡崎京子「pink」(1989年9月マガジンハウス刊)のあとがきより


1月3日、夕方、門司港発のフェリーに乗って大阪へ。時間は12時間ほどかかる。夜行バスよりはずいぶん楽だし、値段は7000円くらい。慣れるとそうでもないのかもしれないけど、楽しさもある。帰りはLCCで3000円くらいだったけど、年始の値段を比べるとフェリーのほうが安かった。

大阪行きの目的は、女流棋士の新春イベントに参加するため。将棋は、よくわかっていないながらもまず純粋に駒が動くことが面白く、ここ2年ほどよく見ている。棋士の所作や、盤面を上から写した映像にぬっ、と手が出てくるところも面白い。向かい合い進む駒の動きには、地上から天井から植物が伸び絡まっていくようなイメージもある。

マイナビ女子オープンの中継ブログに山根ことみさんの写真が載っていて、その写真にとても惹かれた。首の傾げや、斜めに落ちた肩の線、とりわけ、逆手にした左手を軸に膝や床に体重を預けている姿、ひねった身体が気になる。以前、のぶえちゃんの展示について書いたことや、その時に少し理解が進んだように思うリヒターの『ベティ』が参照されて思い浮かんだ。わざわざ大阪まで、とも思っていたんだけど、これは一度実際に将棋を指すところを見てみたい、と思い遠路はるばる大阪行きを決めた。(…と、こんなことを書いておきながらも、山根さんがかわいい、というのもある。ファンになっている。)http://hellotothedistance.tumblr.com/post/103205207523

チケット代は5000円。それに加えプラス2000円で対局を近くで見られ、記念の写真を撮ってもらえるというスポンサー席もとる。棋士のサイン色紙や扇子が販売されておリ、山根さんの「自琢」と揮毫された色紙を購入。3000円。アイドルのファンもこのようなんだろうな、と思う。

イベント中は自由に写真を撮ってもよかったので、参加者は皆おおいに撮っていた。せっかくだから、と自分も撮っていたんだけど、本当にアイドルの撮影会のようで、女性を「消費」しているような、何か少しもやもやした気分になる。その時に思い起こしたのが、ゴダールの「すべての仕事は売春である」という言葉で、とはいってもこういった売春の仕方(身の切り方、仕事の仕方)は女流棋士のものではないよな、と思う。女流棋士と一緒にチェキを撮ってもらえる、一枚1000円というのもあった。たくさんの人が一人で何枚も撮ってもらっていて、すごい。それは外から眺めるだけに。撮影する女流棋士もすごく手馴れていて、たくましいとも思ったし、こういったことでイベントが成り立っているんだろうけど、憧れの人たちにはしてほしくないような気もした。

対局は20秒将棋。熱戦もあり、どの対局も面白かった。早指し戦なので、目当ての深く考慮している姿は見られなかったのが少し残念。晴れ着姿なので身体のラインも隠されている感じ。ただ、袴の脇のスリット部分(名称がわからない)から着物の色がのぞくところがとてもきれいだった。秒読みが切れる寸前の逡巡、慌てる様子も印象に残っている。

対局のほか、トークや女流棋士との指し初めなど盛りだくさんで、とても良い一日になりました。女流棋士の方たちは本当に華やかできれいだった。こういう日くらいは自分もきれいな格好をしたいな、と思う。帰りに女流棋士カレンダーと棋譜のコピー、自分のような遠方から来た人にはドライフルーツの詰め合わせをお土産にいただいた。心遣いも含め、すごくうれしかった。

最後に、冒頭の引用の続きを。

“愛”は通常語られているほどぬくぬくと生あたたかいものではありません。多分。
それは手ごわく手ひどく恐ろしい残酷な怪物のようなものです。そして“資本主義”も。
でもそんなものを泳げない子供がプールに脅えるように脅えるのはカッコ悪いな。
何も恐れずざぶんとダイビングすれば、アラ不思議、ちゃんと泳げるじゃない? 「バタ足金魚」のカオル君みたくメチャメチャなフォームでも。

現在の東京では「普通に」幸福に暮らすことの困難さを誰もがかかえています。
でも私は「幸福」を恐れません。
だって私は根っからの東京ガール、ですもん。



自分には抵抗もある。でもちゃんと意識を持って飛び込めれば、そちらのほうがロマンチックだろうな。






2015年1月23日金曜日

やさしい女

ロベール・ブレッソンの『やさしい女』がデジタルリマスターで4月に上映される。本当に楽しみ。ブレッソンの映画はなるべく映画館で観たい。
http://culture.loadshow.jp/topics/yasashiionna


『たぶん悪魔が』もいつか必ず観たい。

2015年1月14日水曜日

マティス

スーパーで古本屋が開かれていて、店舗は無いけど九州をまわっているのだそう。マティスの展覧会図録を2冊購入すると、「これらが好きだったら、この辺も見てみてください」と、見飛ばしていたずっしり大きい画集を薦められた。その中の1冊がセザンヌとスーラのもので気になる。初めて見たセザンヌの水彩画が良い。「すこし値引きしますよ」と言われたこともあり、購入。「別に売ろうと思って薦めたんじゃないよ」という言葉を添えて、ビニール袋に入れてくれた。雰囲気がよく、良い買い物となりました。

2015年1月12日月曜日

広々とした公園のような場所、そろそろ相手がやってきてケンカが始まろうとしている。5対5くらい。小走りで向かっていると、若い桜の木が、枝を柳のようにゆったり軟らかく揺らしているのが目に入り、写真を撮ろうと荷物のところへカメラを取りに戻ることにする。振り返り走り出すと、向こうに青々とした山々が迫ってくるように連なっていて、こちらも素晴らしい景色。色が大判カメラで撮った写真のような色乗りで、ずっと近づくと滲み朧げになるような感じ。岩の上で、上を向いて眠っている人がいる。

週末から風邪でダウンしている。龍角散ののど飴が良い。
無印良品のフリースソックス、ぶか、としているので部屋で履く用にと思っていたけど、靴を履いて外でも使える。無印のフリースは気持ち良い。

年始に大阪へ行った。行きはフェリーで雑魚寝の部屋。就寝時、じっと列に並んで運ばれていくことを考えると、コンテナの中の荷物になった気分だった。エンジン?の振動で自分がふるえる音は、それぞれ自分にしか聞こえない。弦楽器になった気分にもなる。ほとんど眠れなかった。

2014年12月26日金曜日

田中純さんの牛腸茂雄『見慣れた街の中で』へのエッセイが面白かった。
日常の周縁に揺曳するもの----写真集『見慣れた街の中で』をめぐって

前の投稿で書いた、女の子の写真。

2014年12月22日月曜日

しもやけ

足の指、特に小指が赤く腫れて痛痒くなる。どうやらしもやけのよう。軟膏を買いに行くも、高くてやめる。ビタミンEが良いようなので、小林製薬のサプリメントと落花生を購入。大学の先輩が「信頼の小林製薬」みたいなことを言っているのを小耳に挟んでから、小林製薬を信じている。落花生すごくおいしい。

無駄遣いしたい気分もあり、朱色の漆箱(ぼろぼろ)に入った大量の古写真を買った。女の子を写した写真ですごくきれいな写真が入っていた。昔の印画紙の品質は今よりも良かったのかな。表面がしっとりして滑らか。小さいサイズも良いな。

2014年12月12日金曜日

筆触

10月20日、以前住んでいた厚木へ写真を撮りに行った。自分が撮った写真の中で一番重要な写真を撮った場所へもう一度行って、見るため。しかし、いつも気の向くまま適当に歩いて写真を撮っていたので、「橋を渡ったあと」としか覚えておらず、ついぞその場所へはたどり着かなかった。地図を見ながらいくつか橋を渡ってみたんだけど。もう諦め、歩き疲れていたところに、鴨が数羽泳いでいるのを見かけたので、救われた気分になった。

川沿いで撮った写真。誰かが花を育てているようで、白いプランターが列になって置かれていた。生え放題の猫じゃらしの中、ピンク色の花が見え隠れして面白い景色だった。撮った写真を見てみると、草花が絵の筆触のようで、後から特別さが生まれてくる。

2014年12月10日水曜日

四十八茶、百鼠

図書館の帰り道、灰色の鳥の羽根が落ちていたので顔を近づけてみると、文字が書いてある。汚れたストラップだった。

映画監督の曽根中生の自伝を読んでいると、「非人」とされていた人の着用する着物について書いていて、水色やグレーの着物を着用していたそう。白い着物は着ることが出来ない。

渋染(柿色)は,中世からの偏見で血の色を表しているとして恐れられ,平人とは違った修験者(山伏)・悪党(無法者),検非違使(警察)たちが着たり,また犬神人のような下級神人や従者とか,あるいは乞食・「癩者」(ハンセン病)の着衣の色でした。

また,藍染・浅葱色・薄灰色などは青衣とよばれ,あの世の亡者・死人とか,乞食・「癩者」とか,従者・召使などの色とされてきました。そして,渋染(柿色)・藍染は「ひ人」の着衣や芝居小屋の幕,遊女屋の暖簾,あるいは牢獄に入れられたときの罪人の獄衣の色とされました。

「渋染一揆」再考(7):染色
http://existenz.seesaa.net/article/310455529.html


この記事が面白かった。浅葱、水浅葱という色に興味がわく。無数のグレーを百鼠と呼ぶのも面白い。

染色に使おうと、公園で大量にどんぐりを拾った。あとこちらで藍の種をわけていただこうと思い、封筒を用意した。

2014年12月4日木曜日

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一度地獄に落ちて 戻って来た写真を 裏返し